九州新幹線鹿児島ルートの開業に合わせて、2004年に誕生した特急列車「はやとの風」。観光客を魅了する洗練された車内と、車窓から広がる雄大な景色は、多くの人々を虜にしました。しかし、2022年3月に惜しまれつつ運行終了を迎えてしまいました。
今回は、「はやとの風」の歴史と魅力について、わかりやすくご紹介します。
誕生の背景
「はやとの風」の誕生には、2003年に立ち上げられた南九州観光調査開発委員会における、「地域に合った観光列車を作ったら」という発言が大きく関係しています。九州新幹線の開業に伴い、増加が見込まれた観光客を効率的に輸送し、沿線の観光地を活性化させることが目的でした。
デビューと定期列車化
当初は臨時列車として運行を開始した「はやとの風」。しかし、その洗練された車内と車窓から楽しめる美しい景色は、瞬く間に人気を集めました。そして2006年3月、予備車1両の確保に伴い、定期列車へと昇格を果たします。
南九州観光列車の先駆け
近年、JR九州は南九州に多くの観光列車を走らせていますが、「はやとの風」はその端緒となった列車と言えるでしょう。肥薩線の吉松駅よりも南側には、1978年以来優等列車が運行されておらず、「はやとの風」は26年ぶりの快挙を成し遂げました。
列車の特徴
「はやとの風」の魅力は、なんといってもその洗練された車内デザインです。車内は木材をふんだんに使用し、温かみのある空間を演出していました。座席はゆったりとしたシートで、長時間のリラックスした旅を楽しむことができました。
また、車窓から楽しめる景色も「はやとの風」の魅力の一つです。霧島連山の雄大な景色や、錦江湾の美しい海岸線など、南九州の自然を存分に味わうことができました。
運行区間と停車駅
「はやとの風」は、鹿児島中央駅と吉松駅の間を約2時間30分で運行していました。停車駅は、鹿児島中央駅、霧島神宮駅、隼人駅、栗野駅、吉松駅でした。
惜しまれつつ運行終了
2018年3月のダイヤ改正で定期運行が廃止され、再び臨時列車となった「はやとの風」。その後も根強い人気を誇っていましたが、2022年3月21日をもって運行を終了しました。
まとめ
南九州の観光を支え、多くの人々に愛された特急列車「はやとの風」。その歴史と魅力を振り返ってきましたが、いかがでしたでしょうか?
現在は運行終了してしまいましたが、「はやとの風」が築き上げた功績は決して消えることはありません。今後も南九州の観光列車は、多くの人々を魅了し続けることでしょう。